日本皮膚科学会雑誌
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原著
順天堂大学皮膚科角化症専門外来で経験した小児Netherton症候群4症例の検討
水野 優起須賀 康春名 邦隆上郎 一弘村松 重典矢口 均小川 秀興池田 志斈清水 俊明山城 雄一郎小松 奈保子高橋 健造
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2006 年 116 巻 9 号 p. 1319-1331

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抄録
出生直後より全身性瀰漫性の潮紅,落屑を認め,魚鱗癬様紅皮症の皮膚所見を呈していた為,当科角化症専門外来を受診したNetherton症候群(NS)の4小児例(生後6日から1歳1カ月まで)を経験した.新生児期には頭部,顔面の脂漏性痂皮が顕著にみられ,乳児期になると躯幹,四肢の潮紅・落屑は次第に軽快したが,脂漏部位や間擦部位には浸軟した鱗屑を伴う紅斑が目立つようになった.このうち,2症例では生後3カ月の時点でも,毛髪異常及び血清IgE値の上昇が検出されなかったが,経過観察中に明らかになった.また,皮膚生検術を施行できた3症例では,角質細胞が早期に剝離する所見が認められた.NSで活性化することが報告されている角層トリプシン様酵素活性は,全症例で高値を示し,NSの1次スクリーニング検査,及び補助診断法として価値が高いものと思われた.更にSPINK5の遺伝子解析を施行したところ,2症例で遺伝子変異を同定し得た.以上の結果より,全症例をNSと診断した.本報告では,小児NS 4症例の臨床経過,検査所見の推移に加え,皮膚科的な治療,スキンケアなどの生活指導についても合わせて言及した.
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© 2006 日本皮膚科学会
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