2017 年 127 巻 3 号 p. 447-453
魚介類摂取後に急性蕁麻疹を生じた患者(魚急性群)40例のアニサキス特異的IgE抗体価を測定し,特発性慢性蕁麻疹(対照群)21例と比較した.抗体価は男性では有意な差がみられず(魚急性群30.1 UA/mL,対照群6.6 UA/mL),女性では魚急性群で有意に高かった(魚急性群16.2 UA/mL,対照群0.8 UA/mL).抗体陽性患者の割合も男性ではほぼ等しかったが(魚急性群65%(17/26),対照群63%(5/8)),女性では有意に大きく(魚急性群50%(7/14),対照群8%(1/13))性別により傾向が異なっていた.しかし魚急性群の約4割で抗体が陰性であり,原因を確定できなかった.