2018 年 128 巻 12 号 p. 2653-2658
43歳,女性.当院で急性リンパ球性白血病に対し入院加療を行っており,末梢静脈路確保のために右前腕皮静脈に末梢静脈留置針を穿刺した後,同部位の腫脹と疼痛が出現した.症状が増悪傾向であるため発症9日後に当科紹介となった.ドプラ聴診器で連続性雑音を聴取し,体表エコーにて病変付近の橈骨動脈に並走する静脈のパルスドプラ波形が,橈骨動脈と同様に拍動性血流波形を示したことから右橈骨動静脈瘻と診断した.シャント部位の圧迫を行い4週間後に症状は軽快した.圧迫を解除したが再発は見られていない.