日本皮膚科学会雑誌
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2,3皮膚疾患の病巣部における皮脂排出と発汗に関する研究 第2報 円形脱毛症について
大河内 朝之
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1968 年 78 巻 2 号 p. 70-

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抄録
著者は,皮膚疾患病像と病巣局所の皮脂排出および発汗の態度との関連に注目し,2,3の皮膚疾患について検討を加えている.第1報では,尋常性乾癬病巣部における皮脂排出と発汗に,関する研究を行ない,ついでODT療法を行なつた場合にそれの皮脂排出と発汗に及ぼす影響を検討した.今回は,円形脱毛症を対象とした成績について述べる.円形脱毛症は皮膚科領域においてはごく一般的な疾患である.各方面からの研究も多く,非常に多数の論文が発表されている.しかしながら,その発生病因に関しては,現在のところ未だ一定の結論が得られず,諸家の見解も多岐にわたつている.円形脱毛症の臨床症状と経過は,極言すれば脱毛が始まり,ある期間を経過して漸次発毛するという単純なものである.しかし,詳細に検討するとかなり多様な性状を呈していることが発見できる.すなわち局所所見のみでも,残留剛毛や毳毛の有無,毛嚢口の所見,あるいは脱毛部皮膚表面の光沢,萎縮,および陥凹などの点について各病巣が同一所見を示すとはいい難く,また経過については,比較的短期間に完治し再発をみないものから,長期にわたつて進行性に経過し,全身の剛毛の脱落を惹起するものまであり,脱毛要因として複雑な機序の介在が推測されるところである.円形脱毛症の病巣部における皮脂排出についてもあるいは発汗に関しても古くから検討されているのであるが,諸家によりその成績が一定せず,未だ十分検討の余地が残されているのもこの辺に原因があると思われる.かかる観点から著者は,円形脱毛症と全頭脱毛症の病巣部における皮脂排出ならびに発汗の機能的態度を研究し,併せて従来行なわれていない両者の関連性を追求するとともに,臨床経過と局所所見,とくに毳毛との関係についても検討を加えたので報告する.
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© 1968 日本皮膚科学会
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