抄録
表皮向性(epidermotropism)とは,表皮外起源の腫瘍細胞が表皮内に移動し,そこで寄生群体をつくることを意味する.これらの細胞は,この起源及び生物学的特性共に表皮とは別のものであり,又表皮を破壊することなく表皮内に生存していなければならない.この概念は,汗器官腫瘍に適応出来る.なぜなら皮膚の附属器は,胎児期に既に表皮から3分化し,その上皮細胞は表皮細胞とは異質のものであるからである.皮膚附属器の細胞は表皮と適合し,又それら皮膚附属器官の表皮内貫通部分(acrosyringium and acrotrichium)は表皮と共棲関係にある.一般的に腫瘍細胞の活性は,それら細胞本来のpotentialityよりも,彼らの正常のprototypeにより制限され,同型の腫瘍細胞しかつくれない.