抄録
光顕的に汗管腫と診断した40例のうち33例(83%)にヘマトキシリン好性顆粒を認め,1例では大型のエオジン好性顆粒を認めた.3例を電顕的に検索したところ,全例に1重の膜につつまれ内部にミエリン様構造を有する穎粒(A顆粒)を認め,1例では膜のない均質高電子密度穎(B顆粒)を認めた.A顆粒には巨大顆粒も認めるところからエオジン好性顆粒に一致すると考えた.A顆粒はヒト胎児表皮内汗管の multivesicular densebody に類似し,ライソゾームと考えられる.B顆粒はケラトヒアリンと考えられ,光顕上のヘマトキシリン好性顆粒に一致すると思われる.B顆粒は胎児表皮内汗管の2種の電子密度滴からなる球状ケラトヒアリン顆粒に似たものが多い.これらの所見は汗管腫が表皮エクリン汗管から発生したか,表皮内エクリン汗管への分化を示している証拠と考えた.