日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
角質内巻毛症の1例と本症の発生機序に関する考察
馬場 俊一安井 由美子鈴木 啓之
著者情報
ジャーナル 認証あり

1984 年 94 巻 3 号 p. 189-

詳細
抄録
尋常性天疱瘡で副腎皮質ホルモンを長期内服している患者に生じた角質内巻毛症を報告し,その成因に関し検討した.角質内巻毛は上腕伸側上方に最も多く観察された.角質内巻毛のSUMP標本では毛の先端の変形したものが多かった.組織学的には毛幹の断面の他に角栓構造が認められた.角質内巻毛は,角質溶解剤の外用剤を塗擦すると消失し,塗擦を止めると再び新生多発した.角質内巻毛は毛孔角化を主とする角質側の要素と毛自体の軟弱性という要素とが相い俟って生ずると推測された.
著者関連情報
© 1984 日本皮膚科学会
次の記事
feedback
Top