日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
94 巻 , 3 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 馬場 俊一, 安井 由美子, 鈴木 啓之
    1984 年 94 巻 3 号 p. 189-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    尋常性天疱瘡で副腎皮質ホルモンを長期内服している患者に生じた角質内巻毛症を報告し,その成因に関し検討した.角質内巻毛は上腕伸側上方に最も多く観察された.角質内巻毛のSUMP標本では毛の先端の変形したものが多かった.組織学的には毛幹の断面の他に角栓構造が認められた.角質内巻毛は,角質溶解剤の外用剤を塗擦すると消失し,塗擦を止めると再び新生多発した.角質内巻毛は毛孔角化を主とする角質側の要素と毛自体の軟弱性という要素とが相い俟って生ずると推測された.
  • 山崎 雙次, 馬場 安紀子, 柳瀬 信一, 野田 れい子, 古谷 達孝
    1984 年 94 巻 3 号 p. 195-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    PSSの肺線維症を検索するため本症14例に肺CTを施行し,12例に肺線維症とみなされる所見を得た.ほぼ同時的に行った胸部X-Pによる検索では14例中9例,肺機能検索では13例中6例に異常所見を認めた.肺CTによるPSS肺線維症所見は3型に分類された.即ち最も重症型とみなされるものは嚢腫状陰影,最も軽症型は細網状陰影,その中間型は蜂窩状陰影を呈した.上記12例中嚢腫状陰影は9例に,蜂窩状陰影は2例に,細網状陰影は1例に認められた.最も軽症型である細網状陰影は下肺野下部背側の胸膜近くに初発する所見を得た.
  • 沢田 雍子, 大橋 勝, 岸 邦和, 池内 達郎
    1984 年 94 巻 3 号 p. 201-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    染色体異常を伴った疣贅様表皮発育異常症の1例について報告した.患者は32歳の男性で,9歳頃より疣贅様皮疹を手背,足背,胸部,背部等に生じた.22歳頃から右額部に腫瘍を生じ,徐々に増大した.疣贅様皮疹の病理組織像では,いわゆる澄明変性細胞がみられ,電顕では,直径35~45nmのウイルス様粒子が結晶様構造を呈して,核内或いは細胞質内に存在した.右額部の腫瘍はBowen病の組織像であった.本症例は血族結婚,家族内発症等の家族歴はないが,D群15ptの染色体異常が認められた.すなわちQ染色体による蛍光の強度とその大きさ,間期細胞核での動態およびdistamycin A処理による反応等の所見から,No.15短腕の過剰部はY染色体長腕の一部が転座したものと考えられた.しかし,本疾患における発癌と染色体異常との関連は,この症例では何も結論づけることはできず,今後同様の症例についての検索が望まれた.
  • 関 建次郎, 下田 祥由, 鯵坂 義之, 千葉 紀子
    1984 年 94 巻 3 号 p. 207-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    59歳,男子,5年半の経過中に両下腿伸側に計8個の局面を発生したKyrle病の1例を報告した.本例には孤立した個疹はない.Kyrle病の組織学的診断には連続切片が用いられる.報告例の多くは孤立した皮疹を連続切片としたものが多いが,本例では個疹を欠くため,これらが集族し局面を形成したものを用いた.本例には耐糖能異常と長年にわたる肝機能障害を合併していたが,Kyrle病としては全経過よりみて軽症に過ぎると思われる.限局型として認められるものであろう.個々の皮疹は肉眼的にも,組織学的にもKyrle病に一致し,不規則な著しい表皮の陥入,基底層に及ぶ特有なConstantineらの言う異常な不全角化様角化,cornoid lamella 様不全角化,角化物と真皮の接触による異物反応,角質層内のいわゆるbasophilic cellular debris,transepidermal eliminationに一致する所見など本症に特徴とされる所見を認めることができた.perforating folliculitis,elastosis perforans serpiginosa,reactive perforating collagenosis, hyperkeratosis lenticularisとの鑑別診断を行い,本症の発症機序についてはTappeinerの説を紹介した.電顕的には病巣およびその周辺の基底細胞のいくつかは細胞質全体が電子密度が高く,tonofilamentが凝集し,デスモソームは減少し,核は偏在化したいわゆる,異常角化細胞の様相を示していた.しかしbasal laminaは比較的良く保たれていた.異常角化を示す基底細胞に隣接せる有棘細胞はほぼ正常でまた顆粒細胞,角質細胞も正常な角化を営む所見が得られたことよりKyrle病の発生機序として基底細胞の異常角化様変化が一次的に起るが,きわめて限局したものであり,他の部の表皮の角化と相まって著明な角質増殖を生じうるものと推定される.光顕的には最も特徴的な所見として既に取りあげられている基底細胞にみられるConstantineらの云う異常な不全角化様角化があるが,電顕的にもこれに相当するか,あるいは密接に関連する所見を観察し得たのは,本症例が初めてと思われる.
  • 六郷 正和, 細川 倫子, 相場 節也, 五十嵐 稔
    1984 年 94 巻 3 号 p. 219-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    58歳,女性.右側頭部に20年来の直径32mmの皮下腫瘤があった.組織学的に腫瘍塊は大きな角化性嚢腫であり,この大きな嚢腫はさらに大小種々の嚢胞様構造および充実性増殖部よりなる.嚢胞壁はtrichilemmal keratinizationを示し,一部にsquamous eddy様構造も認められる.異型性は認められない.本腫瘍塊より抽出されたケラチン蛋白は,表皮のケラチンと構成蛋白が異なる.この違いは本腫瘍のoriginが表皮由来ではなく毛嚢由来である可能性を支持するものである.また,抗ケラチン抗体を用いた蛍光抗体間接法にて,嚢腫内腔ばかりでなく,間質にも結合織に混じてケラチンの存在を認めた.
  • 佐久間 満里子, 奥山 早苗, 鈴木 正之, 馬場 徹, 高橋 秀東, 矢尾板 英夫, 上野 賢一
    1984 年 94 巻 3 号 p. 225-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    木村氏病の経過中にアミロイド苔癬(LA)を合併した1例を報告した.末梢血好酸球増多,血清IgE高値を示し,RAST法にて血清IgEはCandida albicans,Aspergillus,卵白などに対する抗体活性を有することが明らかとなった.また蛍光抗体直接法では木村氏病のリンパ濾胞様構造の胚中心にIgM,IgEの顆粒状沈着を認めた.LA部では真皮中層の血管周囲性に軽度の好酸球浸潤を見た.2疾患の合併例を文献的に検討し,木村氏病が皮膚アミロイド症の誘因となっている可能性,およびLAを含めた木村氏病に随伴する皮疹には好酸球浸潤を伴う特徴があり,2疾患の発生にIgE抗体によるⅠ型アレルギーが関与している可能性を推測した.
  • 勝俣 道夫, 五十洲 京子, 白井 孝之, 三瓶 清恵
    1984 年 94 巻 3 号 p. 235-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    肝硬変,糖尿病,高血圧で加療中の60歳男子の顔面,頚部,両手背に多発性皮下結節の特異な臨床像で初発し,後にlichen myxedematosusの典型像に移行,ステロイドの少量内服と外用により軽快した1例を報告した.また肝機能障害の増悪とともに皮疹が生じ,その軽快とともに消退していることより,肝機能障害がその発生に大きな影響を与えていると考えた.皮膚病変の光顕的,電顕的観察により次の結論をえた.(1)fibroblast類似細胞が多数存在し,その一部の細胞のrERがよく発達して嚢腫状に拡張し,rER内に酸性ムコ多糖と思われる細顆粒状物質を認めた.(2)特徴的な所見としてみられた脂肪肉腫のspider web cellに類似した細胞は,細胞質の一部がハチの巣状を呈するfibroblast類似細胞で,rERの嚢腫状構造が極限に達して生じたと考えられた.(3)酸性ムコ多糖と推定される物質はfibroblast類似細胞のrERで産生され,多くは直接かまたはvesicleを介して真皮内に放出されると考えた.(4)酸性ムコ多糖産生にmast cellが関与している所見はなかった.
  • 松田 光司
    1984 年 94 巻 3 号 p. 245-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    1.健康成人男性172名について,室温26.7±0.6℃,湿度60%以下,風速約0.05m/secの恒温室内で肘,膝以下を露出せしめ,20分間以上室温に順応させたのち,顔面,四肢の赤外サーモグラフィーを行いその所見をまとめた.2.皮膚温の平均値は,前額部35.3±0.4℃,前腕部33.4±0.8℃,下腿部33.0±0.7℃で左右で差はなく,分布はほぼ正規性であった.これに対し鼻尖部温,指尖部温は高温に分布が偏っていた.また,趾尖部温の分布は特性を示さはかった.3.顔面サーモグラムのパターンは,高温型が80%以上を占め,頬部,鼻尖部が低温所見を示すものはそれぞれ14.5%,4.7%であった.頬部と耳部,鼻尖部と鼻根部の低温所見は相互に関連性がみられた.顔面は大部分が左右対称性であり,非対称は0.6%にすぎなかった.4.上肢サーモグラムは,指尖部が低温ないし欠損所見を示すものが約10%で,左右非対称は3.5%にみられた.5.下肢サーモグラムは,趾の全部または部分欠損所見を示すものが約50%で,そのうちでは第V趾の欠損の頻度が最も高く,左右非対称は11.6%にみられた.6.高温斑は上肢の18%,下肢の23%にみとめられ,ほぼ左右対称性で,その有無に関しては上下肢間で相関がみられた.また,冷え症の傾向を示すものは四肢の欠損所見の頻度が有意に高く,発汗中のサーモグラムでは,部分的低温斑すなわち,顔面のヒゲ現象や手指背部のマダラ現象がみられた.7.前額―鼻尖部,前腕―指尖部,下腿―趾尖部の温度勾配は相互に関連しており,前額―鼻尖部の温度勾配は段階的な分布を示した.8.サーモグラムパターンにはある程度季節的因子が関与し,その影響は顔面で最も少なく,上肢ついで下肢の順に多い.また,平均気温が同じでも気温の下降期(秋季)の方が上昇期(春季)に比べて低温所見の頻度が高かった.9.1年間,同一人で反復施行したサーモグラムにおいて,顔面,上肢では季節による影響はみられなかったが,下肢では著明な低温所見を示す場合があり,季節的因子以外の生活環境因子も関与すると推測された.
  • 林 正幸, 杉本 孝一, 園田 俊雄, 中嶋 弘, 永井 隆吉
    1984 年 94 巻 3 号 p. 261-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    ジューリング疱疹状皮膚炎の無疹部10%ホルマリン固定パラフィン包埋切除にPAP法を施行し,IgA沈着を証明することができた.これを蛍光抗体直接法(凍結切片)所見と比較,検討し,PAP法所見がすぐれていることを指摘した.PAP法は第1抗体稀釈濃度を1/10,000とし,反応は4℃,16時間で行った.
  • 1984 年 94 巻 3 号 p. 265-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
feedback
Top