抄録
右大腿部の単発性・皮膚原発B細胞性悪性リンパ腫の1例を経験した.組織像はLSG分類の濾胞性リンパ腫,混合型であった.しかし濾胞構造は不完全で,一部では大型細胞が優位であり,びまん型への移行を思わせた.遊離腫瘍細胞の表面マーカー検査では,IgM・κ単独陽性,B1陽性等よりB細胞リンパ腫とした.血液生化学的に抗マイクロゾーム抗体,抗サイログロブリン抗体および抗SS-A抗体陽性であった.CT,シンチグラム等諸検査にて皮膚以外にリンパ節を含めて異常なく,腫瘤を全摘しCVP療法を2クール施行した.1年後の精査にて再発なく,皮膚原発の単発性B細胞性悪性リンパ腫と考えた.本邦では稀な症例であり,手術的に上皮性悪性腫瘍と同様早期に摘除する事が有効である事を示した.