抄録
卵白リゾチーム(HEL)抗原を用いてT細胞増殖反応(T cell proliferation response)の遺伝的検討をおこなった.増殖反応に関与する細胞(proliferating T cells:Tpro)はLyt-1+2-,I-A-のT細胞であった.HELに対する遺伝的拘束性を検討するため,種々のマウスを用いてT細胞増殖反応試験をおこなった.結果はB10.BR,B10.MBR,B10.A(4R)が高反応性になった.次にH-2領域に対する抗血清を用いて抑制試験をおこなうと,高反応性マウス(C3H/He)はI-A亜領域特異的抗Ia血清処理によって反応抑制がみられた.すなわちI-A亜領域が遺伝的拘束分子(restriction molecules)になることがわかった.得られたTproが遅延型過敏反応も惹起するか否かを足蹠踵脹反応を指標にして検討すると,腫脹がみられた.すなわち,我々の得たTproはTDTHを含んでいることがわかり,TproとTDTHが同じ分画ないし,同じ範囲のT細胞であることがわかった.