抄録
1983年12月31日までの約15年間に亘る,悪性黒色腫症例を全国施設より集積した.その内,臨床的,病理組織学的記載の明らかな,足底,手掌,爪下に発生した悪性黒色腫(PPSM)のstageⅠb 68例について,予防的リンパ節廓清の有無と予後に関して検討した.5年生存率は,廓清群69%,非廓清群37%で廓清群の方が予後良好という結果を得た.また,侵襲の厚さといった腫瘍細胞の組織学的浸潤の程度が予防的リンパ節廓清の有無とどのような関係にあるかについて検討した.侵襲の厚さは,3.0mm以下は両者の間に差は認められず,3.01mm以上で廓清群の方が有意に予後良好であった.以上の結果より,stageⅠb PPSMに対する予防的リンパ節廓清は,侵襲の厚さ3.01mm以上のものに於て有効であると考える.