日本皮膚科学会雑誌
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汗管腺腫の分化の方向性に関する検討
宮下 光男安井 由美子馬場 俊一鈴木 啓之森岡 貞雄
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1987 年 97 巻 13 号 p. 1565-

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抄録

汗管腺腫5例を材料に用い,抗CEA抗体,抗S-100蛋白抗体,抗アクチン抗体による免疫組織化学的観察,及び電顕的観察を行い,分化の方向性について論じた.1)CEA:管腔様構造の内腔縁が陽性.2)S-100蛋白及びアクチン:充実性腫瘍塊と管腔様構造の基底部の細胞が陽性.3)電顕所見:腫瘍の形態像は,ほぼ真皮内汗管に類似した構造をとっている.表皮内汗管への分化を示すと思われる所見も散見される.分泌部細胞や筋上皮細胞様の細胞はみとめられない.これらのことより,本腫瘍における充実性腫瘍塊の細胞及び,管腔様構造の基底部の細胞は,電顕による微細構造では観察しえない筋上皮細胞への分化の潜在能を有している可能性があると推察した.

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© 1987 日本皮膚科学会
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