抄録
皮膚科領域関連物質で癌原性が問題となっている物質について,培養ヒト線維芽細胞を用いDNA合成抑制試験を行った.癌原性既知の物質については7種中,無機砒素(NaAsO2),γ-BHC,クロム(K2Cr2O7),Cyclophosphamide,Griseofulvin,PCBの6種(85.7%)が陽性を示し,Polyethylene glycolのみ陰性を示した.また癌原性未知の物質5種についてDNA合成抑制試験を行ったところ,DNCB,Etretinate,Minocycline,有機砒素(Tetraphenyl arsonium)で陰性,Methoxsalenでは判定不能であった.さらに,これらの物質による皮膚病変や治療など皮膚科臨床との関係を述べ,核物質の突然変異原性試験および動物の発癌実験とDNA合成抑制試験の結果を比較考察した.