抄録
56歳,女性.約1年3ヵ月前より軽度の肝機能障害,糖尿病を指摘され,チオラR300mg/dayを内服.1986年1月,突然全身に紅斑,水疱が多発.同年1月17日初診.初診時天疱瘡,および多形惨出性紅斑を疑い入院.ステロイド剤の内服,外用処置により皮疹は軽快.その後チオラR原末によるパッチテストを施行.強陽性を示した為,チオラRによる薬疹と診断した.その発症機序は,チオラRによるパッチテストにおいて濃度の上昇に伴い強い反応を示し,チオラR内服開始より約1年3ヵ月という長期間の内服により発症している点で蓄積型の薬疹を考えた.