日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
98 巻 , 8 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 鈴木 正巳, 栗原 敏夫, 前田 哲夫
    1988 年 98 巻 8 号 p. 783-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    皮膚付属器官の一つとして皮膚の機能に重要な役割を演じている皮脂腺の脂質合成能におよぼす各種薬物の影響を,シリアンゴールデン・ハムスターの耳介内側皮膚を器官培養する方法を用いて検索した.ハムスター耳介内側皮膚を薬物および14C-アセテート添加系にて6時間浮遊培養し,真皮か4C-アセテート取込量を液体シンチレーション・カウンターにより測定した.薬物としてビタミン類,抗脂血症薬そして和漢生薬類などについて検討した.その結果,ハムスター耳介内側皮膚の器官培養による真皮の14C-アセテート取込量の測定は簡便な脂質合成能測定法として利用できることが明らかとなった.そして,ビタミンB6・HCl,ビタミンE,ニコチン酸そしてクロフィプレートなどに脂質合成を抑制する作用が認められた.また,和漢生薬類の沢瀉と何首烏も強い抑制作用を示した.これら薬物の臨床応用の可能性が期待される.
  • 薄場 秀, 馬場 俊一, 鈴木 啓之
    1988 年 98 巻 8 号 p. 789-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    尋常性乾癬の表皮細胞核における核酸分解酵素Deoxyribonuclease Ⅰ(以下DNaseと略す)の染色性を,エトレチナート内服およびステロイド外用療法の前後で観察,比較検討し,治療効果との相関性について検討した.方法は,免疫組織化学(酵素抗体間接法)を用いて染色した.次に,治療前後の乾癬表皮における核分裂細胞数を算定し,PUVA療法を含めた各治療の治療効果との相関性について検討を加えた.材料はいずれも乾癬患者の病巣および隣接無疹部皮膚を用いた.その結果,1)PUVA,エトレチナート内服,ステロイド外用いずれの治療法においても,治療有効例は非有効例に比して,治療前のDNaseの染色性が強く,治療後は著明な増強をみた.一方,PUVA,ステロイド外用療法非有効例ではごくわずかの増強であった.2)治療有効例では,治療前では非有効例に比して核分裂細胞数が少なく,しかも治療後は核分裂細胞数が著明に減少した.PUVA,ステロイド外用療法非有効例では有効例ほど減少しなかった.3)DNaseの染色性の強さは,その症例の核分裂細胞数とは逆相関,即ち,核分裂細胞数の多い症例では,DNaseの染色性が弱く,少ない症例では染色性が強いという関係にあることがわかった.4)治療前にDNaseの染色性が強い症例はエトレチナート内服,ステロイド外用いずれの治療法においても良い適応であり,DNase染色ならびに核分裂細胞数は,各治療の効果を予測する上での良いマーカーであることが示された.
  • 花田 勝美, 鈴木 賢二, 橋本 功
    1988 年 98 巻 8 号 p. 797-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    マグネシウム(Mg)は生体にとって必須の金属であり,Mgの欠乏は実験的に皮膚炎を惹起しうる.ここでは新たに開発されたヘアレスラットを用い,実験的Mg欠乏性皮膚炎を作成,光顕的,電顕的観察とともに免疫組織学的検索を行った.欠乏食投与4~6日で,ヘアレスラットには赤色丘疹から環状紅斑が発現,あるものは小水疱,び爛を伴い,約10~14日後自然に消退した.四肢末端は侵されず亜鉛欠乏性皮膚炎とは対照的であった.組織は丘疹部で過角化,有棘層の肥厚,リンパ球,好中球の密な細胞浸潤を認め,紅斑局面では海綿状態,空胞変性,液状変性等が観察された.電顕的には紅水疱部で,基底細胞ないし直上の有棘細胞に変性像が観察されたがデスモゾームには変化がなかった.免疫組織化学的にはラットT細胞(non-helper),Thy-1陽性細胞が紅斑部真皮浅層に密に集族していた.
  • 中島 裕進, 福地 君朗, 馬場 俊一
    1988 年 98 巻 8 号 p. 803-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    56歳,女性.約1年3ヵ月前より軽度の肝機能障害,糖尿病を指摘され,チオラR300mg/dayを内服.1986年1月,突然全身に紅斑,水疱が多発.同年1月17日初診.初診時天疱瘡,および多形惨出性紅斑を疑い入院.ステロイド剤の内服,外用処置により皮疹は軽快.その後チオラR原末によるパッチテストを施行.強陽性を示した為,チオラRによる薬疹と診断した.その発症機序は,チオラRによるパッチテストにおいて濃度の上昇に伴い強い反応を示し,チオラR内服開始より約1年3ヵ月という長期間の内服により発症している点で蓄積型の薬疹を考えた.
  • 田中 正明
    1988 年 98 巻 8 号 p. 809-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    円形脱毛症患者における末梢血リンパ球を量的,機能的に検索し,以下の結果を得た.1)OKT3陽性細胞率は,病型別では汎発性脱毛症で低値を示し,他の病型では有意差はなかった.病期別では脱毛期,脱毛停止期とも健康対照群と有意差はなかったが,両病期間の比較で,脱毛期は脱毛停止期に比較して低値を示し,病勢の強い時期での一過性の低下が示唆された.2)円形脱毛症患者の末梢血リンパ球でOKT4陽性細胞率/OKT8陽性細胞率比の高値がみられ,これは病型別では通常型,全頭脱毛症に,病期別では脱毛期,脱毛停止期ともにみられた.3)Leu12陽性細胞率に有意差はなかったが,HLADR陽性細胞率が有意の高値を示し,間接的にHLADR抗原陽性Tリンパ球の増加が示唆された.これは病型別では汎発性脱毛症に,病期別では脱毛期に著明にみられた.4)in vitro免疫グロブリン産生系でのPWMによるTリンパ球ヘルパー活性,白血球遊走阻止試験,AMLR誘導性ヘルパー活性では健康対照群と有意差はなかった.しかしAMLR誘導性サプレッサー活性は有意の低値を示し,これは各病型にみられ,病期別では脱毛期にみられた.以上の結果より,本症患者末梢血リンパ球異常,ことに抑制系免疫機序の減弱が示され,脱毛機序への自己免疫の関与が示唆された.これらの異常は病型,病期により異なり,特に汎発性脱毛症では,他の病型と免疫状態の異なることが推測された.
  • 畠中 謙一, 山本 康生, 荒田 次郎
    1988 年 98 巻 8 号 p. 817-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    新生仔マウスの微量凍結乾燥表皮組織を酵素源として,山本の方法により,表皮のヒアルロン酸(以下HAと略)合成酵素活性を測定した.UDP-N-acetyl-D-〔U-14C〕-glucosamine(以下UDP-GlcNAc-14Cと略)とUDP-D-glucuronic acid(以下UDP-GlcUAと略)を基質として,0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH7.0)とMg++の存在下に37℃,1時間反応させ,下降法ペーパークロマトグラフィーを行ない多糖体ポリマーとヌクレオタイドに分離した.原点にとどまる多糖体ポリマーの放射活性を液体シンチレーションカウンターで測定し,以下の結果を得た.1)酵素源として表皮組織を含まない系および煮沸した表皮組織を用いた系では多糖体ポリマー合成活性はみられない.2)多糖体ポリマーは反応時間1時間まで徐々に増加する.3)多糖体ポリマーは表皮組織10mgまでほぼ直線的に増加する.4)本反応はpH依存性である.5)本反応において,基質(UDP-GlcNAc-14C)に対するみかけ上のKm値は1.25×10-5Mである.以上より本反応が酵素反応であることを確認した.更にゲル濾過クロマトグラフィーとヒアルロニダーゼ消化試験の結果より,多糖体ポリマーはHAを中心とした物質であると考えられた.また新生仔マウス10検体を用いて,表皮真皮のそれぞれについてHA合成酵素(以下HASと略)活性を測定し,表皮のHAS活性は真皮と比較して,単位重量当たりでは真皮の約半分,単位蛋白あるいは単位DNA当たりでは真皮の約1/4であった.
  • 西川 武二, 早川 和人, 高橋 慎一, 川久保 洋, 山縣 元, 秋月 正史
    1988 年 98 巻 8 号 p. 825-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    長期間観察中の免疫異常を伴う再発性紅斑の自験10例を皮疹の形態から3型に分類し,一般検査,腺機能検査,HL-Aタイピング,Lupus band testを含む病理組織検査ならびに血中抗SS-A,抗SS-B抗体の有無,抗体価,臨床症状との関連について検討した.その結果,Subacute cutaneous lupus erythematosus(SCLE)の環状紅斑,いわゆるSjogren症候群(SjS)の紅斑および両者の中間型に形態学的に分けられ,病理組織学的にSCLEとSjSの紅斑は区別し得るが,他の諸検査から3型の明確な鑑別は困難であった.SCLE症例では2例ともにRowell(1963)の報告と類似する多形紅斑様皮疹を合併した点が注目された.全例に抗SS-B抗体が,また7例に抗SS-A抗体が陽性でとくにSjS型の紅斑は抗SS-A抗体を欠く症例が3例みられた.これらの抗体価は臨床症状と無関係に推移した.以上から,環状連圏状のSCLEとSjS型の紅斑は臨床的ならびに病理組織学的に区別し得るが,形態学的に紅斑性狼瘡と診断し得ない再発性紅斑と抗SS-B抗体と他の免疫血清学的異常を伴う症例は,「抗SS-B再発性紅斑」なる病名の下に一括整理するのが妥当と考えられた.
  • 1988 年 98 巻 8 号 p. 835-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
feedback
Top