抄録
本研究は、複数のゲームが同時に並行して進行している状況を「多重ゲーム構造」と呼ぶこととした上で、学校教育を多重ゲーム構造として捉えることが具体的な問題の解決に資するかを検討するものである。まず、多重ゲーム構造に関係すると考えられる先行研究を概観した。次に、これをもとに多重ゲーム構造の一般形を検討し、時間・空間が限定されないゲームが継続的に、時間・空間が限定されるゲームが断続的に進行しており、これらゲームの中には互いに相容れないものがあったり、同じゲームに見えていたものが異なるゲームであったりしうることを示した。そして、学校教育に関して、複数のゲームの並立が取り上げられている例と、複数のゲームの並立と捉えられていない例を取り上げて検討した結果、いずれにおいても状況を多重ゲーム構造として捉えることによって解決への示唆が得られうることが確認された。