デジタルゲーム学研究
Online ISSN : 2434-4052
Print ISSN : 1882-0913
COVID-19 流行下におけるストレス・不安とゲーム没入感,ゲーム依存との関係性
山本 晃輔横光 健吾曽我 千亜紀ムナン ジュリアン
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2024 年 17 巻 2 号 p. 18-23

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抄録
COVID-19 流行下において、ゲーム業界は多くの収益を上げたことによって、インターネットゲーム障害(IGD)の有病率の増加が懸念されている。本研究では、COVID-19 に関連するストレスや不安が、問題のあるゲーム行動に及ぼす影響について検討した。600 名を対象に、ゲーム依存尺度(GAS7-J)、ゲーム没入感尺度(GEQ-J)、COVID-19 不安尺度(FCV-19S-J)、COVID ストレス尺度(CSS-J)を用いてオンライン調査を行った。GAS7-J に基づいて、437 名の健常な参加者と158 名のゲームに関する問題行動がみられる参加者に分類された。分析の結果、問題行動のある参加者は、健常な参加者と比較して、ゲームプレイ時間が長く、ゲームへの没入感が高く、生理的不安が高く、COVID-19 流行下に関連するいくつかのストレス因子を有していた。さらに、COVID-19 への不安とストレスがゲームへの没入感を媒介し、IGD に影響することが示唆された。本研究は、COVID-19 流行下におけるIGD 発症に寄与する危険因子の1つを発見することに繋がったといえる。
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© 2024 日本デジタルゲーム学会
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