本研究では、大学生19名を対象に、ビデオゲーム(Grand Theft Auto III)中のプレイヤーの操 作行動が脈波のカオス解析による心理状態と主観的感情に及ぼす影響について検討した。特に、プレイ ヤーの心理状態の指標として、リアプノフ指数相対値が有効であるかどうか検討した。実験では操作行 動の指標として車などとの衝突回数や人をひいた回数を測定した。また、心理状態の指標として脈波の カオス解析によるリアプノフ指数相対値を求めた。さらに、各種質問紙による主観的感情を測定した。 その結果、プレイ中のリアプノフ指数相対値が小さい群は、車などとの衝突や人をひく回数が多かった。 また、リラックスした状態で操作行動を楽しんでいることが示唆された。以上の結果、リアプノフ指数 相対値はプレイヤーの心理状態の有効な指標になり得ることが示唆された。