デジタルゲーム学研究
Online ISSN : 2434-4052
Print ISSN : 1882-0913
4 巻, 2 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 小孫 康平
    2010 年 4 巻 2 号 p. 1-12
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/10/01
    ジャーナル フリー
    本研究では、大学生19名を対象に、ビデオゲーム(Grand Theft Auto III)中のプレイヤーの操 作行動が脈波のカオス解析による心理状態と主観的感情に及ぼす影響について検討した。特に、プレイ ヤーの心理状態の指標として、リアプノフ指数相対値が有効であるかどうか検討した。実験では操作行 動の指標として車などとの衝突回数や人をひいた回数を測定した。また、心理状態の指標として脈波の カオス解析によるリアプノフ指数相対値を求めた。さらに、各種質問紙による主観的感情を測定した。 その結果、プレイ中のリアプノフ指数相対値が小さい群は、車などとの衝突や人をひく回数が多かった。 また、リラックスした状態で操作行動を楽しんでいることが示唆された。以上の結果、リアプノフ指数 相対値はプレイヤーの心理状態の有効な指標になり得ることが示唆された。
  • 梶浦 久江, 中山 伸一
    2010 年 4 巻 2 号 p. 13-22
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/10/01
    ジャーナル フリー
    ブロック崩しゲームにおいて、ゲームを直接操作する「プレイヤー」、次にゲームをやろうとしてプレイを見ている「観客」、ゲームのプレイに関わらずゲーム画面をリラックスした状態で見ている 「視聴者」について、音楽がゲームの楽しみであるフロー体験にどのような影響を及ぼすのかについて検討した。音楽無しのゲーム、ゲームに相応な音楽を付与したゲーム、ゲームに不相応な音楽を付与したゲームを用いて実験を行った。その結果、ゲームプレイに注意を向けている「プレイヤー」と「観客」 においては、相応音楽の付与は影響を及ぼさないが、不相応音楽の付与がフローを下げることが示され た。一方、リラックスした状態で見ている「視聴者」においては、相応音楽の付与がフローを上げ、不相応音楽の付与はフローに影響を及ぼさないことが示された。
  • -デジタルゲームとインタラクティヴ・アートの作品比較を通じて-
    鈴木 香織
    2010 年 4 巻 2 号 p. 23-28
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/10/01
    ジャーナル フリー
    今日様々な体験をプレイヤーにもたらすデジタルゲームであるが、その基本はゲーム機というコンピュータと、プレイヤーとのインタラクションである。デジタルゲームが持つ「インタラクティヴィティ」は、かつてはインタラクティヴ・アートとの類似性を指摘されていたが、アートとエンター テインメントという出自の違いなどが原因で、深くは議論されないままとなっていた。本論では、両者を「デジタルベースド・インタラクティヴィティ」という枠組みでくくることで、両者の出自の違 いを一度議論の外に置き、作品の比較分析等を通じて両者の共通項を洗い出すことを目的とする。
  • Jonathan deHaan, Fumiya Kono
    2010 年 4 巻 2 号 p. 47-59
    発行日: 2010年
    公開日: 2021/07/01
    ジャーナル フリー
    この研究では、ゲームの双方向性が語彙習得に有効か否かを検証した。この実験では、日本の大 学生46人を、ゲームと英語の習熟度別に二人一組にし、一方の学生に市販の英語ミニゲームを10分間やっ てもらい、他方の学生にその様子をモニターで見ているよう指示した。このゲームの後で両方の学生に 同一内容の語彙想起テストを行い、認知的負荷(すなわち費やした知的努力や感じた困難さの程度)を 測定した。さらに、1週間後に再び語彙想起テストを行った。ゲームをした方も見ていた方も、英語の 語彙を記憶していたが、覚えていた語彙の数はゲームをした学生の方が少ない結果となった。これはゲー ムの双方向性が招いた認知的負荷によるものと考えられる。言語学習による教育ゲームの研究、デザイ ン、教授法、学習に対する影響を述べる。
feedback
Top