抄録
MMORPGの歴史授業への活用について検討した鎌倉・富安・馬場(2009)において、ゲームを 1 人で自由に遊ばせる授業デザインよりも、グループ課題を課し成果を発表させることでゲーム内体験をクラス全体で共有していく授業デザインの方が効果的であることが示唆された。そこで本研究では、授業参加機会の平等性の観点から、より優れたゲーム課題群の授業デザインの検討を研究課題として実験 1 、及び実験 2 を実施した。その結果、ゲーム内の課題についてスライドの作成と発表を課したスライド群は、事前と比較して事後に社会的スキル、学校生活満足度、歴史関心度の各尺度得点 が有意に大きく向上していた。また群間の比較では、通常の歴史授業を受けた統制群と比較して、スライド群の歴史関心度の変化量が有意に大きいことが分かった。