抄録
本研究の目的は、抑うつ予防を目的とした自助ツールとしてのコンピュータロールプレイングゲームに対する大学生の評価を明らかにすることである。認知行動療法の理論にもとづいて作成された、ワークブック、ウェブサイト、ボードゲーム、コンピュータロールプレイングゲームの四つの自助ツールについての評価を比較検討した。その結果、コンピュータロールプレイングゲームは、他の自助ツールよりも大学生に好まれることがわかった。さらに、各自助ツールに対する自由記述の評価文のテキストマイニングによって、コンピュータロールプレイングゲームは「楽しい」、「面白い」、「やってみたい」などの肯定的な評価をされることがわかった。本研究の結果から、コンピュータロールプレイングゲームの形式で作成された抑うつ予防を目的とした自助ツールは、ユーザーに利用されやすいことが示唆された。