抄録
目的:地域高齢者の初期調査時の歩行時間が,5年後の要介護度との関連を検討することを目的とした。方法:2007年A市保健センターにおいて健康診断を受けた60歳以上の住民のうち,男女211名を対象に,要介護度と歩行時間の調査・測定を行った。その内,自立者158名を対象に5年度の要介護度を調査した。結果:追跡時の各転帰における歩行時間(2007年時)の比較では,自立群より要介護3・4・5群が有意に増加した。またROC 分析では,要介護度のAUC(area under the curve)は高い値を示した(0.79)。結論:歩行時間は要介護度について評価が可能であることが示唆された。