デジタルゲーム学研究
Online ISSN : 2434-4052
Print ISSN : 1882-0913
7 巻, 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • -ゲーム機が作り出した都市型娯楽の新しい形-
    川﨑 寧生
    2015 年 7 巻 2 号 p. 1-12
    発行日: 2015年
    公開日: 2019/10/01
    ジャーナル フリー
    ビデオゲーム機が導入された喫茶店は1970年代末に起きたテーブル型ビデオゲーム機の流行に寄 与した功績以外あまり重要視されていなかった。本研究ではこの喫茶店が持っていた役割を改めて見直すため、この喫茶店の実態を文献資料と現存する喫茶店へのフィールド調査やインタビュー調査を用いて明らかにすることを目的とした。本研究では特に導入ゲーム機種とゲーム機の導入時期、利用方法、 ゲーム機を利用する客層の4つの点を中心に調査した。結論として、この喫茶店は、テーブル型ビデオゲーム機により1980年代の現代日本における会社員向けの短時間の余暇を提供する、新たな役割を作り出したことを明らかにした。
  • 藤本 徹, 岸本 好弘, 西村 圭一, 高橋 薫, 高橋 淳, 谷内 正裕, 山内 祐平
    2015 年 7 巻 2 号 p. 13-21
    発行日: 2015年
    公開日: 2019/10/01
    ジャーナル フリー
    本研究では、数学的思考力を高める学習ゲーム開発のための履歴データ記録APIと、ゲームを公 開して一般ユーザーからのプレイデータを収集、閲覧できる機能を持ったオンラインプラットフォー ムの仕組みを開発した。そして、実際に開発したゲームをプレイしたユーザーへの調査結果をもとに 評価を行った。その結果、このようなプラットフォームを通して、従来は評価を得ることが難しかっ た外部のユーザーや開発者からのフィードバックを得る機会を提供でき、開発者教育に寄与する仕組 みとして機能する可能性が示唆された。
  • 木村 知宏
    2015 年 7 巻 2 号 p. 23-33
    発行日: 2015年
    公開日: 2019/10/01
    ジャーナル フリー
    本研究では、情動・覚醒質問紙と唾液中コルチゾール、心拍数を用いて、デジタルゲームの異な る要素が感情経験と生理反応に与える影響についての検討を行う。大学生30名を対象として実験が行わ れ、唾液の採取と質問紙による主観的反応の測定がゲームプレイ前後に 2 回ずつ行われた。実験参加者 は、対戦格闘ゲームの操作技術を学習するゲームモード、またはコンピュータと対戦するゲームモード、 ゆっくりと村での生活を楽しむゲームのいずれかをプレイした(各ゲーム内容をプレイした群を、それ ぞれスキル学習群、対戦群、統制群とした)。その結果、コルチゾール分泌量と心拍数においてはゲー ム内容の違いによる差は見られなかったが、主観的反応において差が見られた。反応速度を要求するゲー ムの要素は、緊張感と活力感を生起させることが示された。
  • 宮野 秀市
    2015 年 7 巻 2 号 p. 35-43
    発行日: 2015年
    公開日: 2019/10/01
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は、抑うつ予防を目的とした自助ツールとしてのコンピュータロールプレイングゲームに対する大学生の評価を明らかにすることである。認知行動療法の理論にもとづいて作成された、ワークブック、ウェブサイト、ボードゲーム、コンピュータロールプレイングゲームの四つの自助ツールについての評価を比較検討した。その結果、コンピュータロールプレイングゲームは、他の自助ツールよりも大学生に好まれることがわかった。さらに、各自助ツールに対する自由記述の評価文のテキストマイニングによって、コンピュータロールプレイングゲームは「楽しい」、「面白い」、「やってみたい」などの肯定的な評価をされることがわかった。本研究の結果から、コンピュータロールプレイングゲームの形式で作成された抑うつ予防を目的とした自助ツールは、ユーザーに利用されやすいことが示唆された。
  • -長期実験観察と治療応用の一症例の報告-
    棟方 渚, 櫻井 高太郎, 中村 光寿, 吉川 浩, 小野 哲雄
    2015 年 7 巻 2 号 p. 67-78
    発行日: 2015年
    公開日: 2019/10/01
    ジャーナル フリー
    トレーニングの一手法として位置づけられるバイオフィードバックゲームについて、長期的に体験した場合のトレーニング効果とそのエンタテインメント性について調査した。具体的には、バイオ フィードバックゲーム“The ZEN”を開発し、3 名の被験者に長期的にゲームを体験させ、トレーニング によるセルフコントロールの評価と、エンタテインメント性に関する印象を調べた。結果として、全て の被験者がバイオフィードバックによるセルフコントロールに成功した。また、“The ZEN”の治療応用 として、てんかん患者の被験者にゲームを体験させ、その効果を調べた。長期的な実験観察と治療応用 の一症例について紹介を行う。
  • 福山 佑樹, 脇本 健弘, 浅見 智子, 五十嵐 唯
    2015 年 7 巻 2 号 p. 79-88
    発行日: 2015年
    公開日: 2019/10/01
    ジャーナル フリー
    本研究では、若手教師のメンタリング能力を向上させることを志向したメンタリングシミュレーションゲーム「新米先生日誌」の開発と評価を行った。「新米先生日誌」はシミュレーションモードとリフレクションモードという2つのモードを持ち、ゲームを行う中でメンタリングの理論を体験し振り返ることが出来る点に特色がある。ゲームの評価のために教師を対象として行った実験の結果、参加者は楽しみながらゲームをプレイし、「指導や支援に関する知識」と「初任の自律を促す支援を行う重要性認知」を向上させたことが分かった。
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