2017 年 9 巻 2 号 p. 1-13
近年、デジタルゲームの開発・流通・プレイのありようが変化するなかで、その表現や倫理を めぐる問題は、国際的・文化的・社会的観点から重要になってきている。そこで、本稿は、CERO、 PEGI、IARCにおけるデジタルゲームのレーティングシステムの変遷に着目し、デジタル配信時代にお けるレーティングシステムの在り方について検討することを目的とした。その結果、CEROとPEGIの 審査基準の情報公開の在り方に相違がみられること、ゲームやアプリのデジタル配信などを背景として、 レーティングシステムの在り方が自己申告(Self-regulation systems)へと変化してきていること、新 しいゲーム技術の導入に対するレーティングシステムの適用について検討が求められていることが明ら かにされた。