デジタルゲーム学研究
Online ISSN : 2434-4052
Print ISSN : 1882-0913
9 巻, 2 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • -CERO、PEGI、IARCの比較-
    藤原 正仁
    2017 年9 巻2 号 p. 1-13
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/10/01
    ジャーナル フリー
    近年、デジタルゲームの開発・流通・プレイのありようが変化するなかで、その表現や倫理を めぐる問題は、国際的・文化的・社会的観点から重要になってきている。そこで、本稿は、CERO、 PEGI、IARCにおけるデジタルゲームのレーティングシステムの変遷に着目し、デジタル配信時代にお けるレーティングシステムの在り方について検討することを目的とした。その結果、CEROとPEGIの 審査基準の情報公開の在り方に相違がみられること、ゲームやアプリのデジタル配信などを背景として、 レーティングシステムの在り方が自己申告(Self-regulation systems)へと変化してきていること、新 しいゲーム技術の導入に対するレーティングシステムの適用について検討が求められていることが明ら かにされた。
  • 粟飯原 萌, 杉沼 浩司, 古市 昌一
    2017 年9 巻2 号 p. 15-29
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/10/01
    ジャーナル フリー
    教育現場では、電子機器が普及している。一方で経験が浅い教員が効果的な電子教材を開発す ることは難しく、容易に構築する手法が求められている。本稿では、まずARCS動機付けモデルを基礎 に、ゲーム設計法及び、教授法を考慮したARCS改良動機付けモデルを提案する。続いて本改良動機付 けモデルを基礎とした、教員が教材開発をする際の設計指針を示したシリアスゲーム型学習用教材構築 法を提案する。本提案構築方法のフェーズ1の要求定義について、学生10名と教員 1 名の実験協力者に 対して形成的評価を複数回実施した。本実験のアンケート及び設計結果から、提案する構築法の有効性 及び、設計項目の表現の改善が必要なことが示された。
  • 福山 佑樹, 床鍋 佳枝, 森田 裕介
    2017 年9 巻2 号 p. 31-40
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/10/01
    ジャーナル フリー
    近年、ゲームデザインの要素をゲーム以外の文脈で活用する「ゲーミフィケーション」が教育の 分野でも注目されている。本研究では、タブレット端末で動作するゲーミフィケーションの要素を取 り入れた電子教材「アプリゼミ」を使用して、2 つの小学校においてその影響を検証するための 2 週間 の実践を行った。実践前後に行ったテストとアンケートの結果、ゲーミフィケーション教材は児童のモ チベーションを高め、算数の能力、特に計算分野の能力を高める効果があることが分かった。また、実 践前後に行った教員へのインタビュー調査からゲーミフィケーション教材には教室における児童のエン ゲージメントを高める効果がある一方、授業における実施には通常授業への切り替えの難しさを教員が 感じるなど、ゲーミフィケーションならではの困難があることが示唆された。
  • 木村 知宏
    2017 年9 巻2 号 p. 63-74
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/10/01
    ジャーナル フリー
    本研究では、情動・覚醒質問紙と唾液中コルチゾール、心拍数を用いて、デジタルゲームの異な る要素が感情経験と生理反応に与える影響についての検討を行う。大学生30名を対象として実験が行わ れ、唾液の採取と質問紙による主観的反応の測定がゲームプレイ前後に 2 回ずつ行われた。実験参加者 は、対戦格闘ゲームの操作技術を学習するゲームモード、またはコンピュータと対戦するゲームモード、 ゆっくりと村での生活を楽しむゲームのいずれかをプレイした(各ゲーム内容をプレイした群を、それ ぞれスキル学習群、対戦群、統制群とした)。その結果、コルチゾール分泌量と心拍数においてはゲー ム内容の違いによる差は見られなかったが、主観的反応において差が見られた。反応速度を要求するゲー ムの要素は、緊張感と活力感を生起させることが示された。
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