抄録
本発表では、ゲーム研究の他の社会科学領域への応用の一例として、ゲーミフィケーションの手法を用い、典型的な社会問題としての「いじめ」を解消する戦略を分析・考察した。「いじめ」は社会機能的には主観的全能感を求めて行う行為であり、「遊び」と類似する性質を持つ。そのため、「いじめ」の遊戯性を低下させる適切なゲームデザイン構築を行うという対処法の可能性を示した。ここで重要になるのは、対処する社会問題を鳥瞰できる綜合的な分析、デ・マーケティングの要素を持つ、適切に「つまらなく」させるゲーミフィケーションである。