抄録
本稿では,対戦型格闘ゲームにおける行動解析に基づいたプレイヤー育成支援手法を提案する.『ストリートファイター6』の対戦映像から,YOLOv5 によりキャラクター位置を自動検出し,抽出した動作領域を TSM で技クラスへ分類する.TSM(Temporal Shift Module)は,特徴チャネルの一部を時間方向へ微小シフトし,2D CNN と同等の計算量で時系列依存性を取り込む軽量時空間モデリング手法である.得られた発動時刻・確信度を行動ログとして CSV 出力し,可視化・分析により技使用頻度や連係パターンを定量化する.これにより,プレイヤーは効率的な振り返りと戦術改善が可能となる.また,本手法はゲーム内部ログに依存せず映像のみを入力とするため,競技規約面でも汎用性が高い.