道南医学会ジャーナル
Online ISSN : 2433-667X
胸部CT検査におけるSilverBeam Filterの有用性について
一戸 康行大須田 恒一竹内 岳七尾 結輝中山 堅太石川 弘人西川 貴博上原 浩文
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2024 年 7 巻 1 号 p. 31-33

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抄録
【背景】呼吸器外科手術において胸部CT検査は術前の病態把握や術後経過観察として必要不可欠である。ただし、積算被ばく線量の増大が懸念されるため、検査目的に応じて可能な限り低線量撮影を行うことが望ましい。近年、X線スペクトルの低エネルギー成分を低減することで患者表面線量を大幅に低減するSilverBeam Filter(SBF)が一部のCT装置に実装された。さらに、Deep Learningを活用した画像再構成法により低線量撮影時にも画質改善が期待できるようになった。両者を適切に用いることで被ばく線量低減と画質改善の両立が実現すれば、検査の低侵襲化に寄与できると考える。 【目的】通常線量と低線量(SBF)の両方で撮影し得た症例を対象に、有用性と課題を検討する。 【方法】通常線量および低線量(従来法)・低線量(SBF)について、ファントム撮影データから解像特性とノイズ特性を算出し、比較した。また、通常線量と低線量(SBF)について視覚評価を行った。 【結果】通常線量に比べて、2つの低線量条件では解像特性・ノイズ特性ともに低下した。低線量(従来法)に比べて、低線量(SBF)では解像特性が低下し、ノイズ特性は向上する傾向がみられた。また、システム性能関数は全ての周波数帯域で低線量(SBF)が高値を示した。 【考察】低線量(SBF)では総入射光子数が減少するため解像特性が低下したと考えられる。一方で、ノイズ量が軽減された要因としては入射X線エネルギーの高エネルギー側へのシフトが挙げられる。システム性能関数は視覚的検出率と相関を持つことから、低線量(SBF)の肺野条件画像は臨床で活用できると考える。 【結語】SilverBeam FilterとDeep Learning再構成の併用により、呼吸器外科術前および術後のCT検査による被ばく線量を大幅に低減できる可能性がある。
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