道南医学会ジャーナル
Online ISSN : 2433-667X
急性期病院における認知症ケアチーム活動報告~活動方法の改善と今後の課題~
内山 一郎村上 祥子赤松 直子中村 万希東 史高佐々木 史松橋 由紀子
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2024 年 7 巻 1 号 p. 61-63

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抄録
【はじめに】市立函館病院は648床を有する道南地域の基幹病院であり、多くの重症患者を受け入れている。認知症やせん妄を有する患者の増加が深刻となり、令和2年1月に認知症ケアチーム(以下、DCT)を立ち上げたが、COVID-19の感染拡大もあり、十分な活動ができなかった。令和5年度、DCTの体制改善行ったところ、DCT活動が各病棟に少しずつ変化をもたらしていると考えられたため、報告する。【背景と経緯】当初は各DCTメンバー間の調整が円滑に進まず、週1回のカンファレンス・ラウンド以外には上手く機能できずにいた。結果として算定件数も伸びず、各病棟にDCTの活動がなかなか浸透しなかった。令和5年度、認定看護師の活動時間の増加、常勤精神科医の増員が叶い、ラウンド方法の見直しを行った。結果として対象者は一時40名以上に増えたが医原性のせん妄減少に伴い、最近は30名前後で推移している。【実際の活動内容】□病棟ラウンド:火・水曜は主に新規対象者を回診し、木曜はICUを除く全病棟に出向き、全対象者についての情報共有や「御用聞き」的なラウンドを行うようにした。□DCTカンファレンス:木曜のラウンド前に、全対象者についてチーム内で情報共有および討議を行っている。□院内研修会:全職員を対象に、技術的指導を含む教育研修会を複数回企画している。□認知症ケアマニュアル:随時改善・更新を行っている。□DCTの組織的位置づけ:リエゾン・高齢者ケア委員会を立ち上げ、その下部組織として院内組織図に組み込まれた。【考察】これまではせん妄や認知症に伴う行動・心理症状に対し、諦観を抱くスタッフが多かったが、正しい知識と技術があれば軽減できることが伝わり始め、プライマリーチーム全体の意識改革に繋がった。今後は即時性のある介入や知識・技術の更なる普及に加え、退院支援や地域連携を見据えた啓発活動を展開して行かねばならないと考えている。
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