道南医学会ジャーナル
Online ISSN : 2433-667X
MRI検査における腰椎分離症の骨イメージングの検討
松村 駿大須田 恒一若松 百美七尾 結輝石川 弘人小堺 豊藤本 秀太郎
著者情報
キーワード: MRI検査, 腰椎分離症
ジャーナル フリー HTML

2025 年 8 巻 1 号 p. 75-76

詳細
抄録

【目的】腰椎分離症は若年層で好発する。MRI検査では腰椎分離症の骨髄浮腫を反映した信号変化が見られるが、骨折部の離開や骨癒合の程度を観察するのには、CT検査がよく用いられる。しかし、若年層の継続したCT検査には被ばくが懸念され可能な限り回避することが望ましい。MRI検査にて、骨を描出する新規追加アプリケーションを利用せず、既存のシーケンスの撮像条件を最適化し、本来MRI画像では無信号となる骨皮質を描出することで、被ばくを回避できる症例があるのではないかと考え検討した。【方法】3D FastSPGRをベースとする3D-LAVA法を用い、MRIの利点である組織コントラストが低下するように条件を設定した。また、MPRの作成も可能となるよう等方性ボクセルとし、白黒反転を行うことで骨皮質が観察できるCT画像に類似したMRI骨イメージング画像を1.5T装置と3T装置にて撮像し比較した。【結果】1.5T・3T装置ともに骨イメージングは可能ではあるが1.5T装置ではSNRに限度があり分解能は3T装置が優位であった。【結語】腰椎分離症を疑う症例に対し通常のMRI検査から骨髄浮腫の信号変化を拾い上げるとともに、骨イメージングを行うことでCT検査を回避し被ばくの低減が期待できる。

著者関連情報
© 道南医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top