2026 年 9 巻 1 号 p. 15-19
【症例】80歳代男性【既往歴】66歳時胆嚢ポリープで胆嚢摘出術、狭心症
【現病歴】X-1年9月に当院循環器内科通院中に経過観察目的に施行したMRCPで胆管壁の不正を指摘され、当科紹介受診となった。EUSでは下部胆管から上部胆管に比較的壁構造が保たれた壁肥厚像を認めた。ERCP施行し胆管生検で腺癌であった。画像検査で明らかな遠隔転移は認めなかったが、高齢、広範囲な胆管癌であり外科的治療は希望されず化学療法の方針となった。
X-1年12月よりGCD療法(GEM+CDDP+Durvalumab)開始し8コース施行、以後Durvalumab単剤の投与を継続していた。
X年8月に食欲不振、腹部違和感あり上部内視鏡検査を施行した。胃前庭部に広範囲に白苔を伴うびらん性病変を認めた。生検組織では高度の好中球、リンパ球、形質細胞浸潤を認めた。Durvalumabによる免疫関連有害事象による胃炎と診断した。PSL20mg投与開始したところ症状改善し退院となった。
【考察】irAE胃炎は消化管免疫関連有害事象の中では比較的稀である。irAE胃炎の内視鏡所見としては胃粘膜のびまん性浮腫、易出血性の脆弱な粘膜が報告されている。ICI治療患者で食欲不振、びまん性の炎症変化を認めた際には鑑別の一つとして考慮する必要がある。