抄録
デュアルキュアー型コンポジットレジンセメントの硬化反応率をフーリエ変換赤外吸収分光法で測定した。デュアルキュアー型レジンセメントの反応率は,レドックス反応による常温硬化では59.3∼75.0%,光硬化では66.6∼81.4%を示した。光硬化時の反応率は,セメントと照射器照射口の間に介在するコンポジットレジンインレー体の厚さが増加するにつれて減少した。また,光硬化時の低反応率は,経時的に十分には向上しなかった。したがって,デュアルキュアー型のレジンセメントを光硬化させる場合,充填用光重合型コンポジットレジンの場合と同様十分光照射しなければならない。反応率を向上させ,均一化するためには,低反応率になったと思われる部位に照射口を近づけて再照射する方法が非常に有効であった。