抄録
7種類のアミドモノマーを合成し,それぞれHEMAに溶解してボンディング剤として使用した。エナメル質はリン酸エッチングを施し,象牙質はクエン酸エッチング後にMTYA・G・Hプライマーで処理をして被着体とし,37°C水中に1日浸漬後の引張り接着強さを測定した。HEMA単独から成るボンディング剤をコントロールとして用いた。
エナメル質に対しては,o-MBBA (o-メタクリロキシブトキシベンズアミド),及び3, 5-DMBA (3, 5-ジメタクリロキシベンズアミド)を用いた場合に,HEMAよりも有意に高い値が得られた。一方,象牙質に対しては,MTYA(メタクリロイルチロシンアミド),p-MBBA (p-メタクリロキシブトキシベンズアミド)から成るボンディング剤がHEMAよりも高い接着強さを与えた。