Dental Materials Journal
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高周波ろう付け用埋没材の開発
西村 文夫中村 英雄高橋 英和高本 敏政
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1992 年 11 巻 1 号 p. 59-69,113

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抄録
埋没材に導電性を付与し,高周波誘導加熱によって発熱する埋没材の開発を試み,高周波ろう付け用埋没材としての適性を検討した。
マグネシアクリンカーを耐熱材とし,結合材として硬質石膏5mass%を配合したものを基本組成とし,これにCo, Fe, Niの金属粉末を10∼20%添加し,誘導加熱を行ったときの埋没材と被ろう付け金属の時間-温度曲線,埋没材の温度-膨張曲線などを検討した結果,10mass% Co添加が最も有効であり,埋没試片の予熱なしで埋没材温度は約40秒の誘導加熱により900°Cに達した。熱膨張曲線は直線的に上昇し,真空加熱時に1000°Cで1.25%の膨張率を示した。このろう付け用埋没材を用い,洋銀を銀ろうで真空誘導ろう付けしたときの寸法変化を検討した結果,金属粉末未添加の埋没材に比し,寸法変化の少ないことが認められ,高周波ろう付け用埋没材として有効であると判定された。
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© 日本歯科理工学会
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