Dental Materials Journal
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分光蛍光法応用によるアマルガム修復物の初期辺縁漏洩の定量的分析について
金 芝娟高橋 好文紀藤 政司森本 凱也長谷川 二郎
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1992 年 11 巻 1 号 p. 45-58,113

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抄録
アマルガム修復物の充填初期における辺縁漏洩を定量的に観察するために,分光蛍光法によりローダミンBをトレーサーとして,また被修復材料としてヒト歯牙の代わりにマシナブルセラミックを用い,熱サイクルを加えた浸漬条件下で検討を行った。ローダミンBは容易に窩壁とアマルガムの隙間を通過するため,トレーサーとして有用であるとともに,きわめて低濃度の測定が可能であった。アマルガム修復物からの充填初期における辺縁漏洩は,低銅型球状,単一組成高銅型球状および混合組成高銅型球状では浸漬1日後において著しい辺縁漏洩が観察されたが,低銅型削片状,単一組成高銅型削片状および混合組成高銅型で球状と削片状の混合型は少なかった。浸漬10日後の辺縁漏洩はアマルガム合金粒子の形状により異なり,低銅型および高銅型とも削片状合金は球状合金よりも辺縁漏洩は少なく,特に高銅型で球状と削片状の混合組成を有する合金が最も少ない辺縁漏洩を示した。
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