Dental Materials Journal
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レーザーラマン分光学を応用した接着界面の研究
4-META/MMA-TBBレジンと牛及び,ヒト象牙質界面の分析
尾崎 守鈴木 正子伊藤 和雄和久本 貞雄久光 久
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1992 年 11 巻 1 号 p. 70-76,114

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抄録
前報で4-MET/MMA-TBBレジンとハイドロキシアパタイト,牛歯エナメル質との接着界面の研究を行ったが,今回は続報として4-METと牛及び,ヒト象牙質間の化学結合の可能性を,ラマンスペクトル測定により検討した。市販モノマー液中から体積量2/3のMMAを揮発して得た濃縮モノマー液を10-3処理した牛及び,ヒトの象牙質に塗布したことろ,両者共に塩の形成が認められた。この塩は,前回我々が報告したハイドロキシアパタイト及び,牛歯エナメル質表面で,4-METが形成した塩と同様の過程で形成されたものと考えられる。一方,象牙質中の有機成分と4-METの間で化学変化が起こったことを示唆するバンドは認められなかった。
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© 日本歯科理工学会
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