Dental Materials Journal
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歯科材料引張疲労試験の新しい方法
西村 文夫中村 英雄亘理 文夫田中 至高橋 英和
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1992 年 11 巻 2 号 p. 141-149,217

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抄録
ステンレス鋼製スクリューを測定試料に埋め込み,スクリューと測定試料に繰り返し引張力を与える引張疲労試験を考案した.試験試料としてPMMA棒を選び,これにネジきりをし,スクリューを歯科用セメントで合着した試料と合着しない試料を製作した.負荷波形としてサイン波,矩形波,三角波について検討した.PMMA試料を用いたため,亀裂の発生が観察でき,亀裂発生までの繰り返し応力回数と,試料の破断までの回数を記録した.破断面を観察したところ,破壊疲労を示す表面性状が観察された.負荷波形としては,測定値の変動係数が小さい三角波形の負荷が望ましいと考えられた.疲労強度はセメント合着により改善され,セメントの種類によりその程度は異なった.しかし,亀裂発生から破壊までに与えられた繰り返し応力の回数はセメントの種類の影響を受けなかった.
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© 日本歯科理工学会
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