抄録
光重合型コンポジットレジンの重合率と変色の関係を調べることを目的として,Bis-GMAとTEGDMAの配合量が異なる4種のコンポジットレジンを試作し,その重合率と変色量を加熱および非加熱の条件下で測定した.重合率はFTIRを用いて測定し,変色は60°Cの水中に1, 2, 3, 4週間浸漬後に測定を行った.非加熱のコンポジットレジンでは,TEGDMAの含有量が多くなるほど重合率は高くなり,また変色は少なくなった.試料を加熱した場合は,非加熱の場合よりも重合率は有意に高く,変色は有意に少なかった.本実験の結果より,光重合型コンポジットレジンにおいては,重合率が高いほど変色が少なく,この2つの要素には有意な相関が認められることが明らかとなった.