近年ポーセレンマージンへの光重合法の応用が開発された.本研究では,体収縮,密度,圧縮強さ,表面性状,気泡,歯型からの分離性ならびにマージン部の精度について,ポーセレン-光重合型レジン系と従来のポーセレン-水系の比較を行った.試作レジンマトリックスは,べースモノマーとしてBDMAあるいはEGDMA,光増感剤としてCQ,重合促進剤としてDEAEMAからなり,希釈剤としてTEGDMAを用いた.レジンマトリックス系ポーセレンは,従来型より体収縮が大きく,密度および圧縮強さが小さくなる傾向を示した.また,希釈剤を加えた場合と従来型では,希釈剤を含まない場合より滑沢な表面が得られ,気泡も少なかった.歯型からの分離性およびマージン部の精度には光増感剤の量が重要な影響を与えており,光増感剤が多いほど(1.0%)分離性がよくマージン部の適合性も良好であった.
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