Dental Materials Journal
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コンポジットレジンの機械的性質の低下
有川 裕之桑畑 弘之関 英男蟹江 隆人藤井 孝一井上 勝一郎
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1995 年 14 巻 1 号 p. 78-83,104

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抄録
γ-MPTMSによって表面処理した6種類のフィラーを用い,異なったフィラー形状,フィラー粒径,フィラー含有率をもつ16種類の光重合型コンポジットレジンを試作した.試料は0∼60日間蒸留水中に浸漬し,曲げ強さおよび曲げによる応力緩和率の測定を行った.曲げ強さは,すべての材料で水中浸漬期間が長くなるとともに減少し,60日後では浸漬前に比べて約10∼30%低下した.またフィラー含有率の高い材料(65vol%)は含有率の低い材料(40vol%)よりも大きな低下率を示した.応力緩和率についても曲げ強さの場合と同様の傾向を示し,浸漬期間が長くなるにつれて緩和率は増加した.さらにフィラー含有率の高い材料は,浸漬前の値に比べてより大きな緩和率の増加を示す傾向がみられた.こうした機械的性質の低下は,フィラー表面処理剤の加水分解による劣化が大きな影響を及ぼしているものと思われる.
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