抄録
種々な溶融方法を用いて鋳造した3種類の市販Ni-Cr系合金と純Niの鋳造体(研磨後)中に含まれる酸素と窒素の定量を行い,両者の量に及ぼす溶融方法および合金成分の影響について検討を加えた。比較した溶融方法はアルゴンガス中高周波,大気中高周波,2種類のアルゴンアーク(アルゴンガス置換とアルゴンガス吹き付け),酸素-プロパン混合ガスを用いたトーチによる溶融の計5種類とした。アルゴンガス吹き付けによるアーク溶融は他の溶融方法4種類に比べて有意にガスの吸収を引き起こし,他の溶融方法ではその間に有意な差は認められなかった。この影響は特に,Cr, SiあるいはMnをあまり多く含まない合金に対し顕著に示されていた。さらにこの合金において,アルゴンガス吹き付けによるアーク溶融を用いた鋳造体の内部には多くのポロシティーが確認された。一方,硬さに対しては有意な影響は認められなかった。