抄録
歯科用レジン材料の物性向上を目的として,多官能性メタクリレートの構造と物性との相関を検討中であるが,前報では,分子中心骨格がビスフェノールS型のジメタクリレートの合成とMMA共重合体の物性について検討を加えた。その結果,芳香族系の導入が共重合体の物性向上に有効であることが判明した。今回は,分子中心骨格に各種の芳香族系を有するジメタクリレートの分子構造と物性との相関を検討する目的で,中心骨格にビスフェノールA,ビスフェノールS,ハイドロキノン,ビフェニル構造を有し,鎖長の異なる8種のジメタクリレートを合成し,MMA共重合体の物性を測定した。その結果,ビスフェノールS,ビスフェノールAを中心骨格に有するジメタクリレートが,総体的に良好な物性を示し,歯科用メタクリレートモノマーとしての有効性が示唆された。