Dental Materials Journal
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可視光線重合型unfilled resinの物性に及ぼすモノマー構造の影響
川口 稔福島 忠男堀部 隆
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1988 年 7 巻 2 号 p. 174-181,232

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抄録
分子内にビスフェノール骨格を有する9種のジメタクリレート(Bis-GMA, Bis-GMA-F, Bis-GMA-C, Bis-GMA-EPh, Bis-GMA-ECh, Bis-MEPP, Bis-MEEPP, Bis-MPPP, BiS-ME2.6PP)とtriEDMAより成る光重合型のunfilled resinを試作し,重合体の機械的性質と吸水性を測定することにより,モノマーの分子構造と重合体の物性との関係を検討した。ビスフェノールAやフルオロビスフェノールA骨格を有するジメタクリレートの重合体は,総体的に良好な機械的性質を示し,各重合体の物性が,モノマーの分子構造の剛直性および疎水性によって影響を受けることが明らかとなった。また,運動性に乏しい分子構造のモノマーでは,立体障害によるものと考えられる物性の低下が認められた。フルオロ基を有するビスフェノール骨格のジメタクリレートは比較的優れた物性ならびに耐水性を示し,修復用レジンのべースモノマーとしての有用性が示唆された。
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© 日本歯科理工学会
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