適切な成績評価指標として正答率の伸び率を用いた指標を導入した。導入した指標の妥当性を検討するため,導入した指標を含む3種類の指標を検証した。検証には数学の問題に対する正答率を用いた。 正答率から得られる伸び率が成績評価として妥当であるか散布図により検討し,さらに伸び率が1回目の正答率に依存するか評価した。この結果,(1)単純な伸び率は成績の評価には適切でないこと,(2)単純な伸び率に比べ,高正答率であるほど大きく補正された伸び率は,正答率が高くなる場合には成績評価の妥当な指標であること,(3)単純な伸び率や高正答率であるほど大きく補正される伸び率に比べ,本研究で導入した補正された伸び率は,正答率の増減に係わらず妥当な成績評価の指標であること,が判明した。