2019 年 29 巻 p. 194-199
本研究では,高大接続改革などの状況も踏まえて,現行の高校調査書を対象に,生徒の特徴がどのように記述されているのかを検討した。227名分の調査書の「指導上参考となる諸事項」のデータから,そこに記載されているパーソナリティに関する記述および「学力の3要素」に関する記述に着目をした集計を行った。その結果,パーソナリティでは「誠実性」に関する記述が,全体の85%と多く見られること,「誠実性」「調和性」「外向性」の3因子に言及されるケースが多く見られることなどが示唆された。また,学力の3要素については,「知識・技能」に関する記述が多く見られたのに対して,他の2要素については17%程度にとどまることが示唆された。