2023 年 33 巻 p. 170-177
フランスの後期中等教育修了資格認定試験制度の改革(以下,「バカロレア改革」と表記する)は,2018年の公表から5年を経て,ようやくその全貌が明らかになった。ちょうどその過程でCOVID-19が蔓延し,急遽対応に迫られることとなった。本稿ではバカロレア改革推進過程におけるCOVID-19対応について検討した。2020年6月のバカロレアは中止され,リセの内申点だけで合格者を出すなど,制度の根幹を揺るがしかねない重要な決定も下された。内申点の基準やバカロレアの評語取得率,留年率等の指標に,当該年度の受験生に有利に働く「過剰な調整」の痕跡が見られた。