抄録
海底熱水噴出域の周辺には、熱水性のマンガン酸化物が分布することが知られている。これらのマンガン酸化物は、低温の熱水活動に伴って海底面付近に沈殿したと考えられており、海水起源のマンガン酸化物とは鉱物組成や化学組成が明らかに異なる。また、産状観察や構造解析にもとづき、海底面から下向きに極めて速い速度で成長するモデルが提唱されている。しかし、直接的に熱水性マンガン酸化物の年代分析を行った例は、1980年代に行われたU-Th年代の1例しか報告されていない。本研究では、伊豆小笠原海域で採取された熱水性マンガン酸化物についてU-Th年代測定を行い、成長速度を見積もることを試みた。さらに、すでに終息した熱水活動に伴って生成した「化石の」熱水性マンガン酸化物について、U-Pb年代測定を行った。