本研究では,東北大学の入学者選抜に関する各種資料を男女差の観点からあらためて分析し,既存の選抜区分が女子比率に寄与しているのか,「女子枠」のような新たな選抜区分の導入が必要なのかを検討した。志願者及び合格者における女子比率は緩やかに増加しており,とくに総合型選抜(AOⅡ,Ⅲ)が寄与していた。また,選抜区分にかかわらず女子は男子より入学後の成績が良好で,優秀な女子学生が確保されている可能性や,対面オープンキャンパスへの参加が入学した学部等の志望決定の促進要因になることが示唆された。以上から,女子比率を高めるには現行の選抜制度や広報活動の改善が重要であり,新たな選抜区分の導入は急務ではないと考えられる。