抄録
本研究では,気候変動下における山口市の畑地土壌の水分状態を予測し,気候変動による気象条件の変化が土壌水分変動に与える影響を調べた.まず,山口市の畑地圃場において 2 年間の土壌水の吸引圧を観測し,観測データをもとに HYDRUS-1D を用いて対象圃場の土壌水分移動をモデル化した.その後,圃場モデルの大気条件を ELPIS-JP の将来の気象データとし気候変動下における山口市内の畑地の土壌水分状態を予測した.予測の結果,土壌が乾燥状態(−49 kPa 以下)となる日数を現在と将来で比較すると夏の期間は減少し,冬の期間は顕著に増加することが示された.冬の乾燥については主に蒸発量の増加によるものであることが推察された.また,将来において土壌水分が圃場容水量を上回る(−3 kPa以上)日数については年間を通じて灰色低地土圃場,黄色土圃場ともに減少傾向にあることが示され,将来の山口市の畑地は現在よりも乾燥化する傾向にあることが予測された.