生物環境調節
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カイコにおける幼虫期の高温度衝撃が眠性ならびにアラタ体の神経分泌作用に及ぼす影響
黄色 俊一
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1973 年 11 巻 2 号 p. 47-50

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抄録

伴性晩成遺伝子Lmeおよび+Lmに関して, 遺伝子型を異にする数種の4眠系のカイコを供試し, 第3眠脱皮直後の高温度衝撃 (38℃, 24時間) が, 眠性およびアラタ体の神経分泌機能に及ぼす影響を調べ, 次の結果を得た.
Lmeが発現できる状態にある遺伝子型の幼虫は, 高温度衝撃によって3眠化しやすくなるが, それは高温度衝撃によるアラタ体のホルモン分泌量の低下に起因する.またこのアラタ体のホルモン分泌量の低下は, 高温度衝撃による脳のアラタ体支配機能の変化に起因する.さらに, 高温度衝撃による3眠化は高温度衝撃後の飼育温度に影響され, 20℃で飼育した場合は25℃で飼育した場合よりも, 3眠蚕の出現率が低くなる.

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© 日本生物環境工学会
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